中学野球の環境について

学生野球

部活動の衰退

2021年いよいよ野球人口の減少を実感することとなった。現在、千葉県内の公立高校でコーチ業を行ったいるが、公立高校では野球部の部員が9名に満たない学校が数多く出てきました。

それも、過去に甲子園へ出場した実績のある学校ですら、新入部員が片手で収まる現状です。そもそも子供の人数は減っている中でスポーツを、しかも野球をするというところまで選択する子供がどれだけいるかは今後、ますます減少することを受け入れなければななりません。

今回の記事では、少年野球(中学生)が野球をする環境を選択する際に、必ず学校での部活動か学校外のクラブチームかに選択が分かれると思うのですが、いよいよ中学校の部活動が無くなって行く方向が濃厚となっており、先生方の労務管理上の問題などを考えると継続することは難しいと判断します。

ならば、高校入試にあたり、部活動を内申点評価から廃止して行くことが望ましいと思う。この辺りを総合的に見て早目に今後の方針を明確にして欲しいと願っております。

実際、先生方も顧問になることを望んでいる人がどれだけいるのでしょうか?好きでやっている先生は良いですが、経験もない状態でいきなり顧問になるのも酷な話ですよね。

では、結論はクラブチーム一本化?簡単にそうとも言えない現状について事項で解説して行きます。

クラブチームの選択について

中学校の部活動が衰退する中、野球を続けたいという子供達はクラブチームという環境を選択することになります。単にクラブチームと言えども、居住地域によってはチーム自体がないエリアもあり、グランドまで車で1時間の送迎など必要になる場合があります。また、クラブチームは主にいくつかの団体に分かれておりますので以下主な団体を紹介します。

公益財団法人 日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)

公益財団法人 日本少年野球連盟

一般財団法人 日本リトルシニア中学硬式野球協会(シニアリーグ)

一般財団法人日本リトルシニア中学硬式野球協会
リトルシニアリーグに関する統括情報を提供しています。野球が大好きな少年、将来の夢は野球選手!

一般社団法人 日本ポニーベースボール協会(ポニーリーグ)

法人概要|日本ポニーベースボール協会
日本ポニーベースボール協会オフィシャルサイト。協会ニュースや大会情報、試合速報など発信しています。野球は試合に出て覚えよう!2年毎の育成プログラムを採用。ベースボールの本場、アメリカに於いて歳月をかけて研究した結果、成長期の選手にとって最も理想的なのは2年生のリーグであるということでした。

一般社団法人 全日本少年硬式野球連盟(ヤングリーグ)

ヤングリーグ-全日本少年硬式野球連盟
本連盟は、健全な硬式少年野球の振興と、発展に寄与する事を、目的とした全国組織です。

上記に紹介した硬式野球のクラブチームについては主に関東地区であれば4団体で網羅されているかと思います。普段はこれらの団体ごとに大会が行われ、ルールについても団体ごとで若干違いがありす。

しかし、硬式のボールを使った野球ということでは違いがないのですが、所属チーム数が少ない団体の場合は、練習試合や大会の時に広範囲な移動が発生します。

まず、チームを選ぶ際に確認して欲しいポイントを以下にまとめました。

1、練習グランドがどこにあるか?

2、どの団体に属するチームなのか?

3、人数は?

4、指導者はどんな人?

5、保護者の当番があるのか?

6、進学先(高校)は?

7、費用は?

  ・月会費

  ・ユニフォームその他チーム統一の用具類でいくらかかるか?

  ・遠征、合宿の費用

ざっと、こんな感じです。

では、1番の練習グランドから深堀して説明します。

まず、クラブチームの場合、硬式球を使う関係で練習グランドや試合会場では硬式ボール対応できている場所に限られます。練習グランドが都市部にはありませんのでこの点は覚悟してください。

グランドの場所によっては子供が自力で行くことができない場所もあるため、そうなった場合は親が送迎することになります。

2の所属団体ですが冒頭にも記載した通り、団体の規模によって練習試合や大会で移動距離が変わります。同一リーグの所属チームが極端に少ない場合は常に移動が発生することになります。

3の人数ですが、練習効率や試合に出場できる機会に影響しますので大人数のチームは避けた方が良いです。ここが、悩むところなのですが強豪チーム→名門高校への進学を狙って入団する方はそれは一つの選択であると思います。

強豪チームで人数の多いチームの場合は、試合出場機会が圧倒的に少なくなるため技術的には伸びる機会を失います。ある程度、お子様の成長度合いを見て判断されることをお勧めします。

4の指導者ですが、ポイントは勝利至上主義でないこと。とにかく子供成長を第一に考えられる人であることを望みます。

中学生の場合、身体の成長に個人差があり、この点を配慮できないでトレーニングなど行うと、怪我に繋がります。方針が定まっているかを見極めてください。

5の保護者の役割についてはなるべく負担の少ない運営をされていることを望みますが、ここは、チームによってかなり差がありますので事前に保護者会の人に確認をしてください。

6の進路については野球を中心に決めることがあるのですが、お子様の将来を考えますとまずは勉強することを前提に考えてください。仮に将来プロ野球選手になったとしても、引退後はセカンドキャリアを歩むことになります。学ぶことの大切さを放棄してはいけないので、受験でのチャレンジを経験することが良いと思います。

私立の学校が当校へ来て欲しいということをよく言われ、その気になって入学したら1学年30人以上の部員がいて3年間試合に出れませんでしたなどよくある話しです。なるべく試合に出れる環境を選択することを薦めます。

7の費用についても良く確認してください。ただでさえ、グローブなどは高額です。ユニフォーム、グランドコート、バッグなどチームで統一しているアイテムは代替えが効かないため、要確認です。グランドコートなど結構高額なものを使っているチームがありますからね。チームの会計が明朗であることも重要です。メンバーから集めたお金が指導者やスタッフの飲食に消えて行くことは絶対にあってはなりません。ここがしっかり管理されていないチームは必ず揉め事が起こりますから、先輩保護者に聞いてください。

高校への進路問題

強豪クラブ→私立の野球強豪高校 この流れは確かに一部の優秀な選手は良くある流れです。高校側も推薦枠がありますから才能豊かな生徒を集めるために必死です。

そして、高いレベルで挑戦したい選手がいるのも当然です。ここにクラブチームと高校側でパイプが出来上がります。よくあるケースは「このクラブチームから毎年、〇〇高校へ何人か行っているよね」これも事実。

受験でも同じで〇〇予備校から〇〇高校は多数合格者が出る。など、ここで問題なのはクラブチーム側で選手の進路を振り分けて決めてしまうこと。「お前は、〇〇高校に話を付けてあるから行きなさい。」こんな話が出た時に断れるか?ここは大切な話なので監督さんとしっかり話しておいてください。

では、公立高校の場合はどうなのか?市立高校の強豪校は除いて、一般的な公立高校は、正直、学校に魅力や特徴がなければ生徒は集まらないのが現状です。過去に強豪校で甲子園出場の実績があろうとも例外ではなく指導者を含め環境が整っていない場合が多いのでしっかり、学校説明会などで確認することを薦めます。学校側から積極的なアプローチは少ないと思います。

新たな提案

小学校から中学への進学の際、学校の部活かクラブチームかの選択は本当に悩むところであると思います。

子供がクラブチームでやりたいと言っても、近くに良いチームがなかった場合にどうするか?親の負担もあるため子供ともじっくり話しをしてみてください。

ここで、全く別な選択として一つ例を挙げますと、中学の3年間は野球塾と個人トレーニングでスキルを磨くということもありなのではないかとも思います。

いきなり何言ってんだ!ここは、賛否ありますが、理由としては、この時期に身体の成長が著しくしかも個人差があり、ハードワークできないこと。

身長が数十センチも伸びるこの時期にハードな運動は必要ありません。膝、腰、肩、肘など痛みを抱えながらのプレーは身体へのダメージが大き過ぎます。私自身も中学時代は20cmの身長が伸びて、関節が痛み、ハードなトレーニングなど一切できませんでした。

この時にプレーをしなくても良い環境であったことが救われたと思います。

仮にクラブチームでの活動を選択した場合でも週末だけの活動です。週に2日であるならば野球塾で週に2~3回の基本動作を習得した方が高校から本格的にプレーすれば良いのではないかと思います。

子供達にとっては試合ができないことと、高校側へ自分の存在をアピールできなくなることへの不安を感じることとなりますが、試合中心のクラブチームでは、なかなか技術向上のための練習はできません。結局、平日に自主トレすることになりますから。ならば、野球塾という選択肢もありかなと思います。野球塾には元プロの指導者もおりますので高い技術レベルまで指導を受けられます。

実は何故、このような提案をするのかと言いますと。高校野球の指導を通じて感じることは、基本的な動作ができる生徒が非常に少ないことです。

投げること、捕ること、打つことの基本3動作。結局、高校入学後、ここから指導することになりますから、高校3年間を有意義な時間とするならば、まず、中学校では勉強と基本動作の習得を徹底的にやります。

そうすれば、高校では早い時期から試合にも出場できる可能性が高まります。

基本動作を習得できない選手は結局先に行ってつまづきます。

野球を長く続けることを考えるなら、絶対にこの基本動作の型を身につける時期が必要となりますのでこれだけは理解しておいた方が良いと思います。

まとめ

中学時代を学校の部活かクラブチームかは本当に迷います。私自身がプロ野球を経験して感じたことは、遠回りもありということです。

当時、プロ在籍時に私の1学年上の先輩は高校野球を1年間しかやっておらず、ドラフトにかかったり

高校時代陸上のやり投げをしていた後輩がいたり、色々な経歴を持っている選手がいました。

小学校から初めて、中学、高校、大学、社会人、プロなど順調に成長できた選手など、それほど多くはないのではないかと思います。

自分の身体の成長や野球の技術だけでない、人としての成長などもプレーには現れてきます。なので、中学時代の環境を選ぶ際は、本人の成長に合う環境の選択をしていただければ良いと思います。もし、何かが違うと感じれば変えれば良いだけです。

是非、野球を長くプレーできるようにアシストしていただきたいですね。気長に!

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