野球は終わったのか?

野球の環境

2020年はコロウイルス感染拡大の影響もあり高校野球は甲子園2大会が中止、

プロ野球も大幅に試合数を減らしての開催と今までにないシーズンとなりました。

プロ野球は近年観客動員数を右肩上がりで増やしておりエンターテインメントとして

プロスポーツ分野では圧倒的な集客力と収益性を得ています。

しかし、そんなプロ野球を横目にアマチュア野球はどうだろうか?

私が危機感を抱えているのは下部組織へ行くほど状況は悪化していること。

少年野球、リトルリーグの指導者を経験、現在は高校野球の現役コーチとして

現場に立ちながらその未来についてお話しさせていただきます。

プロ野球を取り巻く環境について

プロ野球はパ・リーグの改革が2004年の近鉄バファローズの消滅あたりから

加速し始めたように記憶しています。

近鉄・オリックスの選手が集まって誕生したのが楽天イーグルス。

翌2005年千葉ロッテマリーンズがプレーオフを制してチャンピオンになりました。

パ・リーグは「実力はあったがお客が入らない」こんな状況から集客を伸ばす改革を

各球団断行して行きました。

この取り組みにより各球団観客動員数が増えて親会社の宣伝広告としての

役割から稼げる事業に変わっていきました。

収入の源泉は

  ①チケット収入

  ②広告料収入

  ③グッズ収入

特に広告については球場を見ると広告だらけになっていることから大きな収入源となっているのは

お分かりでしょうか。

チケットについてはファンクラブの会員を軸に正規の金額で販売できるように

なったことも大きいですね。以前は招待券ばら撒きしていた時期をあったのですから。

VIP用のシートからファミリー用のBOX席などバリエーションが増えて

来場者の満足度を高めることができるようになりました。

マーケティングが機能してきたパ・リーグは

ドラフトでも良い選手を引き当てより一層固定客を掴んでいくのだろう。

その反面セ・リーグは読売ジャイアンツを中心とした放映権収入を軸とした安定した収入モデル

で、余計な施策など必要なかったのですが地上波が無くなりCS中心の放送となったことで

集客・マーケティングに取り組みはじめました。

セ・リーグは新聞社(読売・中日)、飲料(ヤクルト)、鉄道(阪神)、独立(広島)、

IT(横浜)の構成になっており横浜はファンサービスや球場との合併など積極的に施策を実施し

野球ファンというターゲットから仕事帰りのサラリーマンをターゲットに広げファンを拡大し

今までこれと言って施策をして来なかったから数年は集客を増やすでしょう。

こんな状況からプロ野球全体では集客を伸ばし、各球団の経営も改善してきているのではないだろうか。

大学・社会人野球を取り巻く環境について

プロ野球の集客力アップに対して、社会人野球はクラブチームを含めて厳しい現状が続いています。

とにかく企業チームが軒並み統合・廃部とチーム数が激減しその存在意義が問われるようなことになりつつあります。

現在はクラブチームが増えてはいますが、活動資金の捻出、仕事との両立が必要となるため

こちらも厳しい状況ではありますが出資してくれるスポンサー次第でもあるので、

是非、NOMOベースボールクラブのようにプロ野球OBなどが出資してチームオーナーとして業界の発展に寄与いただきたい。

大学については地方リーグのレベルが上がってきたように感じている。

プロOBの監督も増えてきているので今後に期待したいです。

高校野球を取り巻く環境について

私自身、公立高校の野球部でコーチをしているため、状況は良くわかります。

既に、少子化の影響を受け出している。特に公立高校の野球部は一部の学校を

除き部員確保が急務です。

とにかく私立の高校に集中していて、100人以上の部員を抱える私立学校がある反面、

1学年9名にも満たない公立学校が多く見られます。

古豪と言われる学校でも例外ではありません。

公立高校については統廃合を進める必要があるのではないかと痛切に感じます。

私は千葉県で活動していますが、県内の高校もプロOBの監督が増えて来ました。

当然、私立の学校になりますから結果を求められる立場となるでしょうが、

高校野球は野球だけでなく人格形成でもあるのでプロOBの底力を見せて欲しいです。

2年前にアマチュア資格回復の講習を受けたことで高校野球の現場に立てるようになりました。

この講習は3日間みっちり行われ、初日はNPBの講習、2日目、3日目は学生野球側の講習で

高野連の幹部の方が直接講義をしていただけます。

この講習はかなり役立つ内容で勉強になりました。

実際、高校野球の現場に立たれている先生方はどの程度理解されているのでしょうか?

意外と知らないのではないかと思います。

中学野球を取り巻く環境について

悩み多いのがこの中学野球をクラブチームで過ごすか?学校の野球部で過ごすか?

選択肢がある分悩みますよね。

まず、硬式か軟式か?硬式を選ぶならチームはどこにするのか?受験なみに悩みます。

判断理由として助言するなら子供が成長できるかどうか?

野球だけではないですが、上達するにはいかに実践を経験するかで大きく変わります。

いくら強いチームに入りそれなりの練習を積んでも試合に出られないのなら

考えた方が良いと思います。

練習のための練習はあえて必要ないと思いますし練習によるインプットはできても

アウトプットできなわけですから。

そして、一番気を付けなくてはならないのはレギュラー争いによる過度な練習と故障です。

中学生のこの時期は人生の中でも最も身体が成長する時期で、

ハードなトレーニングは必要ありません。

股関節、肩甲骨周りの柔軟性をキープできればOKです。

本当に身体壊しますから指導者の皆さんは高校へ進学しても野球を続けたいと思わせる指導を

宜しくお願いします。

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